皮膚を心底 きれいにするには(5) |
NO.130 2005/8/29 |
50年以上の経験を生かした一皮膚科医よりのアドバイス § アトピー対策 アトピーの人は早目の対策を わるい時のみ治療しても駄目・・・完治を期すること アトピー性皮膚炎を完治させる方法 皮膚科医として既に50年が過ぎた80歳に近い現在、今なお100人近くの患者さんの診療に当っていますが、これまでの経験をもとに、この問題についてお答えしたいと思います。 このホームページのNo.74 「アトピー性皮膚炎と、わたしの処方」(2003/11/2)、及びNo.103「アトピー性皮膚炎は完治できるか」(2004/8/30)において、わたしは次のように述べました。 つまり、アトピー性皮膚炎はただ悪い時だけ治療するのではなく、症状を細かく観察し、とくにIgEの推移を参考にしながらその全体像を把握し、きちっとした診療方針に従って辛抱強く治療を受けることが大切であり、そうすれば絶対に治るとしたのです。 治療のポイント * 非特異的減感作療法を併用しながら抗アレルギー剤を上手に使い、アレルギーを薄くするように努める。 * 皮膚バリアー機能低下の是正にもピントを合わせた合理的な外用療法が必要。 期待される薬理・薬効作用をもつ主剤の選択と、それに適した、更に皮膚症状をコントロールするにふさわしい基剤を選択する。 * そして、年齢的な推移、季節的な推移を考慮に入れて治療修了の時期を定め、その後観察期間をおいて再発の有無を確め、最後に治癒の判断をくだすことになりますが、次にそのポイントを示します。 治癒判断のポイント * 先ず、年齢的な推移を参考にして判断すること。 ・3歳までに治る人が多いので、なるべく3歳頃までに治すように努めること。 ・3歳までに治らなければ、思春期までに治すように努める。 大体15~16歳頃までに治る場合が多いようです。 * 一般に夏はよく、冬に悪くなる傾向があること。 * 大人になっても治らない場合は、中々治癒させることは困難ですが、まず上記の治療で1年間経過をみた上で決めます。 * なお、上述のように、IgE抗体の総量が治療によって低下することが多いので、その推移を参考にして判断します。 * しかし、治癒の判断は、あくまでも医師に任せることが大切で、自分勝手な判断で、いいからといって勝手に治療を止め、悪い時のみ治療するようでは、何時までたっても完全には治りません。 |