鳴海クリニック <消化器内科・内科・外科・皮膚科>

クリニックレポート(個別記事)

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ウイルス性発疹症について
NO.143 2006/1/30

 全身に発疹をみる場合、まず中毒疹と考えて色々検索をすすめ、場合によっては薬疹の場合もありますが、その他に急性発疹性の感染症を考えなければなりません。そして、その大半はウイルス性疾患ということになります。
 すなわち、ウイルス性発疹症は、小児では、麻疹、突発性発疹、水痘、風疹の順で頻度も高いですが、時に小流行するものに伝染性紅斑があります。 成人では帯状疱疹、風疹、水痘、麻疹などが低い順位で並んでいます。
 ただし、近年の傾向として注意を要することは、青年期のウイルス性発疹症が少なくないことと、高齢者の帯状疱疹の増加です。
 急性ウイルス性感染症は、通常、小児期に罹患して長年月にわたる免疫が得られるので、成人には少なかったのですが、成人の罹患例に時折り遭遇します。これは、近年、各種の成人病にステロイド剤、抗腫瘍剤、放射線療法などを用いることが多くなったためと考えられています。

ウイルス感染症の臨床像

 熱型と発疹との関係、口腔の所見、眼や上気道の症状、リンパ節、好発年齢、流行季節、感染形式その他について、下記の表を参考にして下さい。
 これは、台糖ファイザー株式会社が、昭和52年7月1日 に発行した『ウイルス感染症の臨床像』によったものです。

ウイルス性疾患における白血球数、好中球数の減少について
 一般に、ウイルス性感染症では白血球数は軽度減少を示すといわれています。
 ウイルス性疾患では一時的に好中球数が増加する時期があることはありますが、一般には症状を伴う時期には好中球数は減少し、リンパ球数は増加します。白血球数の中で6割程度は好中球が占めていますので、好中球数減少の影響で全白血球数は減少することになるわけです。リンパ球数は、著しい増加はみられないため、全白血球数に与える影響は少ないとされています。
 以上、ウイルス性急性熱性疾患の診断・治療(大分医大第2内科 那須 勝、平松和史)・日本医事新報 No.3847(平成10年1月7日)より。

薬疹とウイルス性発疹症の外来での鑑別法
 播種状紅斑丘疹型薬疹、つまり全身に小型の紅斑もしくは丘疹が多発するタイプですが、この種のタイプは風疹や麻疹など、日常よくみられるウイルス感染症の発疹と良く似ていますので、薬疹かウイルス感染症か鑑別が難しい場合があります。詳細に薬歴・病歴を問診し、全身所見を丹念に把握する以外にはありません。
 皮疹の分布から言えば、露出部や末梢優位に皮疹を認めるものはウイルス性が多く、間擦部優位のものは薬剤性が多いとされています。ウイルス性でも粘膜疹が著明なものもありますが、粘膜病変の壊死性変化の強いものは重症薬疹のことが多いとされています。また、異型リンパ球を40%以上認めるものはウイルス性のことが多く、好酸球増多は薬剤性の皮疹に認められやすいとされています。(塩原哲夫教授: MB Derma, 101: 118~125, 2005による)

治療並びに経過に関する大体の基準

 ウイルス性発疹症の治療に際して感じられますことは、それぞれの潜伏期は疾患によっては多少違いますが、大体2週間、その経過も略2週間と思っておけばいいでしょう。

 この中で、単純ヘルペスは最近再発頻度が上昇していますが、その誘因として、日光、ストレス、外傷などが知られています。

 紫外線が照射されると全身の細胞性免疫反応が抑えられ、Th2型の反応が優位となり、重症の皮膚病変が起こりやすいと推察されています。
 また、アトピー性皮膚炎など皮膚の慢性炎症状態がありますと、1型(HSV-1)ウイルスの初感染により重症の皮膚感染症、カポジ水痘様発疹症(疱疹性湿疹)を起こすことがあります。(以上 久留米大学 安元慎一郎講師・単純ヘルペスウイルスの皮膚感染におけるサイトカインの動態・第7回 ヘルペス感染症フォーラム・2000年8月25~26日より)

 帯状疱疹の場合、皮膚の炎症は1週間から2週間以内に治りますが、神経が変性してしまうと神経痛が長く残ることになります。
 また、皮疹が広範囲で潰瘍をつくる場合は治るまでに少し時間がかかり、神経痛が長く残ることが多く、年余にわたる場合もあります。
 したがって、皮膚症状は勿論ですが、神経の炎症を出来るだけ早くくい止めるよう、症状の早期コントロールに力を注ぐことが大切です。
 そこで、帯状疱疹の治療上最も大切なことは、出来るだけ発症から4日以内に治療を開始し、2週間を目途に治すことです。つまり、皮膚症状は勿論ですが、神経の炎症を出来るだけ早くくいとめるよう努力しなければなりません。
 このためには、神経の鎮静とともに、体内鎮痛機構(下行性疼痛抑制系)を活性化するノイロトロピンの注射と相俟って、抗ウイルス剤や消炎鎮痛剤を上手に使うことです。
 抗ウイルス剤は水庖が乾燥するまで使います。水疱のある間はそこにウイルスが沢山いますので、その間に集中的に使うわけです。大体1週間と思えばいいでしょう。
 このことに関しましては、当ホームページの下記のページをご参照ください。

No.17 ウイルス性皮膚疾患の治し方(Ⅰ)(2001/11/21) 
No.18 ウイルス性皮膚疾患の治し方(Ⅱ)(2001/11/28)
No.105 再び帯状疱疹について~その治し方のコツ (2004/9/30)






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