鳴海クリニック <消化器内科・内科・外科・皮膚科>

クリニックレポート(個別記事)

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皮膚病を治すキーポイント
NO.155 2006/11/8

 さきに、アレルギー性皮膚疾患、とくに慢性蕁麻疹などの治療に際しましては、アレルギーに対する処置は勿論ですが、場合によっては神経とくに自律神経並びに内分泌の影響を併せて考えた、いわゆる三位一体の概念に則った治療が必要であることを述べました。

 今回は、これを含めて一般的に皮膚病を治すにあたってのキーポイントについて述べてみたいと思います。

§ 発症に関わるいくつかの因子

1.アレルギーの有無を確認し、アレルギー陽性の場合はその程度を把握する。
 アレルギーが関与していると考えられる場合、何等かのアレルギーが起こっているかどうか、それがアトピーによるものか否かを証明し、その程度に従って治療を行なうことが大切です。
No.146 アレルギー疾患の治療とわたしの考え方(2006/3/25) 参照

2.自律神経失調(低血圧症候群)の有無を把握する。
 わたしの提唱する低血圧症候群を参考にしていただきたいと思います。
 下記の表のように、とくに女性患者にみられる場合が多いようです。
No.70 皮膚と自律神経(2003/10/5)、
No.113 低血圧症候群について(2005/1/30) 参照

3.女性患者では、とくに月経との関係を把握する。
 健康な女性の約80%は月経前の期間に何らかの皮膚変化がみられ、これを月経前症候群ないし月経周期症候群と呼んでいます。
 若い女性の少なくとも70%までは、顔に「にきび」が生ずるようになり、約35%は頭が脂ぎった状態になると訴える傾向にあります。 現存する皮膚病は月経時に悪くなることが多く、とくに酒皷、にきび、エリテマトーデスのような顔の炎症性疾患で著しいようです。 
No.53 皮膚疾患と月経との関係(2002/8/15) 参照  

※ とくに「にきび」と月経との関係 
 一般に、女性では月経前5~7日頃より「にきび」が増悪したり、新生したりし、月経終了後また元に戻る傾向が認められますが、この傾向の著しい症例を月経前増悪型としております。
 そして、女性患者の半数以上は月経前に悪化する傾向があるので、治療方針の決定に際して、とくに留意しなければなりません。
No.9 「にきび」の治療(2001/9/26) 、
No.124 「にきび」患者にみられる最近の傾向と,その治療(2005/7/15) 、
No.148 当クリニックにおける「にきび」治療の新方針(2006/4/30) 参照

4.光線過敏性の有無を把握する。
 わたしの経験によりますと、中高年の女性で、顔が赤くてかゆみを訴える患者さん100人について診ますと、その94%の人が日光の紫外線に弱いということがわかりました。
No.56 顔の湿疹様病変を治すにあたって(2002/11/15) 参照

5.その他の全身的背景を探る、とくに糖尿病の有無について
 このホームページのNo.37 糖尿病の皮膚病変(2002/4/17)でお話ししましたように、最近では成人の7人に1人は糖尿病の可能性があるということがわかりました。
 糖尿病は多彩な代謝異常と血管障害を合併する国民病で、その症状はからだの色々なところに現れますが、毛細血管や神経網が豊富で代謝の活発な、大きな体表器官である皮膚には色々な病変が高頻度に現れやすいということを忘れてはなりません。
 糖尿病を合併しておりますと、湿疹様病変は治りにくく、厳しい糖尿病のコントロールと並行して皮膚病の治療が必要になります。

6.“皮膚と「こころ」”の問題 
 わたしは先に小著“皮膚と「こころ」”において皮膚と「こころ」のつながりを深く掘り下げて考え、 皮膚は「こころ」を左右し、ある意味では「こころ」をつくると強調しました。
 そして、知識と才能の座である脳と、体の表面を覆っている皮膚とは発生学的にも兄弟のような間柄にあり、人間の性格や人格、意志の強さなどとも深いつながりをもっていることを忘れてはならないと訴えました。
 また、皮膚病を治す場合でも、「こころ」の問題を無視しては、皮膚科で治療を受けている患者さんの少なくとも40%のマネージメントはうまく行かないのではないかということも併せて強調しました。
No.21 皮膚と「こころ」の問題(2001/12/19) 、
No.107 ストレスと皮膚2004/10/30) 参照 

※ 皮膚における心と体の結びつき
 1993年、ハーバード大学皮膚科学研究所の細井らは、神経ペプチドの一つであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の免疫染色を応用した免疫電子顕微鏡写真によって、末梢神経繊維が表皮内に入り込み、皮膚の免疫細胞であるランゲルハンス細胞に接触し、脳からの神経伝達物質が直接受け渡されている事実が発見されました。 これによって、心と体が皮膚の中でつながっている事実が証明されました。
No.120 ランゲルハンス細胞について(2005/5/15) 参照

§ 15症例の分析




 以上のように、皮膚病の成立には、場合によっては色々な因子が組み合わさっていますが、これを同時にクリアして治すようにすれば、うまく治すことが出来ます。
 わたしの経験では、このような傾向は女性患者に著しいことを指摘したいと思います。

 結論として、皮膚病を診る場合、ただ単に皮膚のみでなく、皮膚を通して人間全体を診ること、つまり他臓器との関連において診、また常に環境との関連において診ることが大切なことであります。

 つまり、皮膚病の診療にあたっては、これまでの概念にあまりとらわれず、一人の患者さんに診る場合、上記の表のように複数の要因がクロスオーバーして成立していることに思いを致し、一人ひとりにベストな医療を施す、いわゆるクロスオーバーラーニングの必要性を強調する次第であります。

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