当クリニックにおける抗アレルギー薬使用の実際 
NO.104 2004/9/15

 既にこのページのNo.29抗アレルギー剤・使い方のポイント(2002/2/20)並びにNo.90抗アレルギー薬と使い方の実際 (2004/4/11) において、皮膚科領域における抗アレルギー薬と、その使い方についてお話しましたが、今回は現在当クリニックにおいて実施しております抗アレルギー薬使用の実際についてお話してみたいと思います。

当クリニックにおいて抗アレルギー薬を使用する場合の一応の基準 

 次に示します図は、既に3年位前に、これまでの使用経験をもとにつくったものですが、これでお分かりのように、すべての基準はアタラックスに始まります。少なくとも一週間の経過をみながら矢印のように処方を変えて効果を判定し、症状を軽減することに努めています。
 しかし、アタラックスによって眠気がひどく、翌日まで体がだるいなどと訴える患者さんのためには、最近ではクラリチンを用意しています。




最近の抗アレルギー薬と、その特性を探る 







 その後、新しい抗アレルギー薬が相継いで登場し、発売されていますが、よく吟味しないと、果たしてどれを使っていいのか、実際のところ迷ってしまいます。 

 そこで、最近の抗アレルギー薬について、作用機序の面からと適応症の面について上記のようにまとめてみました。

 また、最近発売された新しい抗アレルギー薬について、それぞれの特性を次のようにまとめてみました。
 

ジルテック(1998年9月販売開始)
 とくに前治療に抵抗を示すなど、難治性の蕁麻疹に対し、切り換え療法として有用。

タリオン(2000年10月販売開始)
 親和性、選択性が高いヒスタミンH1受容体拮抗作用があり、最高血漿中濃度到達時間は1.2 時間と速やか。
血漿中濃度の個体間の標準誤差が少ない→個体差が少なく、一定した高い改善効果が得られる。 薬物相互作用が少ない。

アレグラ(2000年11月販売開始)
 アトピー性皮膚炎に対する有用性、速効性あり。
 脳内に殆んど移行せず、脳内H1受容体に結合しにくい→副作用の軽減。

アレロック(2001年3月販売開始)
 作用機序が多岐にわたり、サブスタンスP遊離抑制作用あり。
 適応症が広く、尋常性乾癬、多形浸出性紅斑にも有効。
 慢性蕁麻疹で特に効果が高く、速効性が更に上回る。
 薬効相互作用の可能性が少なく、併用禁忌、併用注意がない。抗コリン作用が少なく、前立腺肥大、緑内障の患者にも使い易い。

クラリチン(2002年9月販売開始)
 1日1回の内服で強力、速効性。 安全性が高い。

 以上、最近登場の抗アレルギー薬の特性を出来るだけ吸収して前述の図を少し改め、工夫しながら治療にあたっていますが、今のところアトピー性皮膚炎に特に適応のあるセルテクト、アゼプチン、アレグラの作用機序、並びに、掻痒を伴う尋常性乾癬に適応のあるアレジオンの作用機序,及び、尋常性乾癬、多形浸出性紅斑に伴う掻痒に適応のあるアレロックの作用機序に特に注目して治療にあたっています。

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