「にきび」診療における最近の知見
NO.147 2006/4/20

 従来から言われていますように、「にきび」は、皮脂分泌が亢進しアクネ桿菌が増え、そのリパーゼによって皮脂が分解され、遊離脂肪酸が出てくると、その刺激によって面疱が形成され、あるいは好中球を遊走させます。また、アクネ桿菌そのものも好中球走化因子を出して、遊走してきた好中球は活性酸素を産生して炎症を惹起し、いわゆる炎症性アクネの病態を呈してきます。

 ところが、近年、「にきび」の発症には血中のアンドロゲン値の上昇より皮膚局所のアンドロゲン感受性の亢進が原因として重要であるとの考え方が示されており、これをEnd-organ hypersensitivity (アンドロゲンの過反応性)と呼んでいます。



とくに抗生物質の内服に関して・ロキシスロマイシンの新しい作用メカニズム

 ロキシスロマイシンはアクネ菌の増殖や好中球の遊走を抑え、活性酸素の産生自身も抑えるといった作用に加えて、上述のように、過剰なアンドロゲン反応(アンドロゲンの過反応性)を抑えるという新しい機序、即ち、 抗男性ホルモンとしての可能性が考えられるようになりました。

外用剤であるナジフロキサシンの抗アンドロゲン作用

 ナジフロキサシンは新キノロン系合成抗菌剤であり、ブドウ球菌属、アクネ菌に対し殺菌的な抗菌力を示しますが、ナジフロキサシンを有効成分とするアクアチム製剤は世界で初めての新キノロン系外用薬です。外用剤であるナジフロキサシンにも抗アンドロゲン作用のあることがわかりました。

 そこで、次の2つが「にきび」の治療を実施するにあたっての新しい治療概念として考えられるようになりました。
  ・経口薬であるロキシスロマイシンの抗アンドロゲン作用
  ・外用剤であるナジフロキサシンの抗アンドロゲン作用
 そして、これが、わたしが「にきび」の実地診療を実施するにあたって、一層の自信を深める要因となりました。


参考文献

1.痤瘡と男性ホルモン:薬理と臨床 第12巻 第3号 2002年5月
 板見 智(大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座 助教授)
2.ナジフロキサシンとアンドロゲン活性:大塚製薬株式会社資料
 監修:板見 智(大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座 助教授)

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