当クリニックにおける「帯状疱疹」治療の新方針とその成績
NO.153 2006/9/17

 先のホームページ、No.105,およびNo.133において、帯状疱疹の治し方のコツ、及び治療上の一工夫について触れましたが、今回、その後の経験を生かして次のような新方針を決定し、今後の治療に当たることにしました。
 

帯状疱疹を治すに当たっての基本概念

 帯状疱疹の治療にあたって最も大切なことは、出来るだけ早く診断を確定し、できれば4日以内に治療を開始して2週間を目途に治すことです。
 その理由は、皮膚症状は勿論ですが、罹患神経の炎症を出来るだけ早く抑え、神経の変性をくい止めることが必要です。
 皮膚の炎症は普通1週間から2週間で治りますが、神経が変性してしまうと神経痛が長く残ることになります。

治療の実際

※ 抗ウイルス剤の早期使用:

 抗ウイルス剤はだらだら使うのではなく、原則として水疱が乾燥するまで使います。水疱のある間は、そこにウイルスが沢山いますので、その間に集中的に使うわけです。大体1週間と思えばいいでしょう。

※ 鎮痛消炎剤の併用:
 皮膚の炎症は勿論のこと、神経の炎症を出来るだけ早く抑えることが大切です。
このために、とくにわたしが好んで使用している方法を次に述べてみましょう。

その1.ノイロトロピンの使用
 これは神経の鎮静とともに、体内鎮痛機構(痛みの下行抑制系)を活性化するノイロトロピン注射を好んで使用しています。

その2.消炎鎮痛剤の使用 
 ロキソニン、ポンタールなどの消炎鎮痛剤を上手に使うこと。

その3.とくに塩酸オロパタジン(アレロック)の併用
 アレロックのサブスタンスP遊離抑制作用は、末梢知覚神経C線維に働くことから、「かゆみ」のみでなく、痛みへの効果も期待できます。 これに関しましては当ホームページ No.133 でその使用経験を既に述べておきましたが、その後の症例を後述のようにまとめました。
 
※ 理学療法の併用
 とくに帯状疱疹後神経痛に対しましては、ソフトレーザーを神経のツボに週2〜3回照射して効果をあげています。(照射条件;1000mwで15〜30秒)

塩酸オロパタジン(アレロック)の帯状疱疹への使用効果

 当クリニックにおいて、この8月に受診した帯状疱疹患者15例について(このうち3
例は帯状疱疹後神経痛ですが)、その経過を確認し得た10例ついて以下にまとめてみました。




 この10例の治療成績をまとめますと、第1例、第10例は帯状方針後神経痛を長く訴えた症例で、この場合、100日から172日で治癒していますが、それ以外は早くて16日、遅くて29日で治癒していることがわかります。

 何れも最後はアレロックを使用し、その単独使用で短くて4日間、長くて94日間の使用で治癒を確認したものですが、以上によって、塩酸オロパタジン(アレロック)が帯状疱疹の治療に如何に有効であるかがわかります。

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