ロータリーを一般の人にわかりやすく(8)
NO.130 2004/1/29

 今こそロータリーを必要とする時代 
             〜ロータリーをみんなのために〜

§ 21世紀は『こころ』の時代 

 20世紀は『物の時代』と言われ、戦争が終結して経済大国になった90年代、その後バブルが崩壊して日本は低迷状態に入り、今尚なお不況が続いていますが、昨今では政治経済、企業運営のすべてが非常に難しい局面を迎えています。
 また、少子高齢化、孤独化、高度情報化などが進み、様々なストレスを身に受ける現代社会におきまして、青少年が絡んだ事件が多発し、教職員の不祥事がこれに続き、その他の事件事故をはじめ、最近では突発的な殺人事件が多発しています。
 このような現代社会の様々な問題の元凶は教育の退廃にあり、これを突き詰めれば子育てと家庭のあり方に問題があるように思われます。

 21世紀は『心の時代』とされ、生理的にも心理的にも快適な生活が期待され、物質的な豊かさばかりでなく、豊かさの質、とくに心の豊かさが問われています。
 この場合、人間一人一人に『思いやり』の心を養成することが先決で、これには子どもの時からの『しつけ』が何よりも大切と思うものであります。子どもに夢と感動を与える機会をつくり、そのような教育を施すことが必要と思う次第ですが、今日ほど『他人のことを思いやり、他人を助ける』というロータリーの心を必要とするときはありません。

 わたしは常々『ロータリーにおける思いやりの心は、ただ単に人に対してだけでなく、まわりの環境に対しても向けられるべきである』と強調しておりますが、環境汚染の著しい昨今の状態、とくに不法投棄にはじまるゴミの問題などを見聞きするにつけ、今後最大の課題は『地球環境の保全』、『環境の浄化』にあると考えます。この意味で21世紀は『環境の世紀』とも言われています。

 最近における金融・証券界の不祥事にもみられるモラルの欠如はあまりにもひどく、今こそ職業倫理の確立が必要であり、ここにもロータリーの出番があると思われます。

§ 世界理解と平和の探究  

 1921年、スコットランドのエヂンバラ国際大会において、「ロータリーの綱領」の中に「奉仕の理想に結ばれた事業と専門職務に携わる人の世界的親交によって、国際間の理解と親善と平和を推進すること」という第4項が組み入れられ、その後世界中のロータリアンは色々なプログラムで世界平和について視野を広め、平和への情熱を声高く表明してきました。   

 しかしながら、1945年以来、120を超える深刻な武力紛争が世界各地の国を荒廃させ、2,500万人以上の人々が犠牲になっています。 そして、およそ20から30の紛争が未だ に終結していない状態にあります。

 国際ロータリーでは、国際的な政治問題に対する団体声明を出すことは禁じられていますが、平和と正義の原則に基づき国際的難問を平和交渉によって解決するために、自己の影響力を行使することはすすめられています。

 この度、国際ロータリーでは、2002年、国際問題の研究を目的としたロータリーセンターを世界の7ヶ所に開設しました(日本では国際基督教大学)。  このロータリーセンターは著名な大学と協力関係を結ぶことによって、平和・紛争をはじめ世界理解の分野における最先端の研究を行ない、これに多くの団体をリンクさせて紛争を解決するよう努め、平和に満ちた環境をもたらすことを目指すという大きな目標を掲げています。
 このロータリーセンターで研究に従事する「ロータリー世界平和奨学生」は、普通の国際親善奨学生と異なり、紛争解決の要点や、平和研究を含んだ修士課程の2学業年度、研究に従事することになりますが、既に70名の第1期奨学生が入学して研究を開始しました。 

 10年にわたって難民の支援に尽力し、海外のジャーナリズムによって「小さな巨人」と称された国連難民高等弁務官の緒方貞子氏は、この世界平和奨学生の先駆者であり、また絶好のモデルとなる人物です。 このような人を一人でも多く育て、世界に向かって送り出すことが、今、最も大切なことではないでしょうか。 

 このセンターの一つであるサルバドル大学(アルゼンチン・ブエノスアイレス)のメイキン教授が言っていますように、ある人にとってはゲリラでも、他のだれかにとっては自由のために戦う人であり、宗教的狂信者は一方では正義の勇士なので、さまざまな紛争の研究とその解決策を多岐にわたって試みることが、今後最も大切なことと思います。
 
 ブラウン前RI会長の好きな格言のように、世界の平和は人間一人一人の心の中につくられるものですが、平和への道(The path to peace)は中々容易ではありません。
 ポール・ハリスは、このことに関し、次のように言っています。「戦争に至る道は、よく舗装されたハイウェイです。 平和への道はいまだに茨の道です。」  とくに昨今のように、世界のあちこちで頻発しているテロの悲劇に直面しますと、いよいよこの感を深くする次第です。

 ポール・ハリスは「ロータリーは平和な世界のミニチュアである」といっていますが、ロータリアンは勿論のこと、ロータリアン以外の人々もロータリーについてよく知っていただくことが世界の平和につながり、平和のメーカーになり得ると思う次第であります。

   「地上に平和を、すべての人に善意を」  ポール・ハリス 

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