別府に生まれ 別府に生きる (その)
NO.514 2014/1/30

今回は前回に続いて「温泉と皮膚」について述べてみたいと思います

§ 温泉と皮膚

1.温泉と皮膚に関する開業後の実績

  ・1969年1月: 別府に帰省して診療開始
  ・1972年: 第1回入浴調査
  ・1976年: 第2回入浴調査
  ・1990年: 第3回入浴調査
  ・2001年1月: 「JN全身シャンプー」をつくる
  ・2001年7月: 小著「温泉と皮膚」発行

2.入浴調査について

 過去3回にわたり、当クリニックの患者さんを中心に行った入浴調査の結果を次に掲げます。




3.入浴調査のまとめ

・入浴状況: 3回の入浴調査の結果、これは少し気になるところですが、第一回目の調査では温泉入浴者の割合が88,6%であったものが第2回目では61.5%、第3回目では56.8%と、温泉に入る人が少なくなる傾向にあることが伺われます。
・入浴の頻度: 毎日1回入浴する人が一番多く、2日に1回がこれに次ぎ、1日に2〜3回入浴する人がいるかと思えば、3日に1回、更に1週に1回しか入浴しない人がいるということがわかりました。
・温泉入浴頻度と皮膚の状態: 1日2回以上入浴するとかゆみを訴える人が多く、反対にあまり入浴しないと、かゆみを訴えやすくなるということがわかりました。
・ナイロンタオル使用状況: ナイロンタオルを使用している人は1000人中246人で、その中の26人(10.6%)が色素沈着をきたしていることがわかりました。
・水虫の発生状況: 1000人中185人が水虫にかかっており、趾間をよく洗う人の方が水虫の発生率が低いということがわかりました。

※ 温泉と洗剤

・温泉と普通の石けん
温泉で普通の石けんを使うと皮膚が荒れて痒くなることがありますが、硬度の強い温泉ほどこれは一層強くなります。
一般に硬水で石けんを使うと、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムなどの塩類が石けんの脂肪酸基と結合して、水に溶けない金属石けん(俗に「浮きかす」という)をつくり、これが脂の取り除かれた皮膚を刺激することになります。
・中性洗剤の発展
 そこで、この欠点をなくすために、中性洗剤が使われるようになったのですが、
・従来の中性洗剤の欠点
 温泉で使っても石けんのような刺激はありませんが、「あか」や「よごれ」と共に角層中の脂肪分まで洗い落としてしまう欠点があります。しかも公害を残すことが欠点です。

※ 理想的なシャンプーをつくる

 これは界面活性剤の配合に問題があり、一つのアニオン界面活性剤を配合した従来のシャンプーを改めて、一つのアニオン界面活性剤だけではなく、他のアニオン界面活性剤や両性界面活性剤をバランスよく配合すると、前述のような欠点がなくなり、東京の研究所に依頼して理想的なシャンプーをつくることが出来ました。(2000年1月)

・ジェイ・エヌ 全身シャンプーの特徴
 温泉での使用に最適で、アトピーの人も安心して使える、これまでにない理想的な全身シャンプーです。
1.『あか』や『よごれ』は取りますが、皮膚の脂を取りすぎることなく、しっとりと皮膚を保護します。
2.温泉で普通の石鹸を使うと、硬水の成分と反応して皮膚を荒らすので皮膚病を治り難くしますが、このシャンプーではそのようなことは起こりません。
3.普通の中性洗剤と違って、泡が分解しやすいために公害を残さず、環境にやさしいシャンプーです。

4.小著「温泉と皮膚」について 

 以上の入浴調査に基づいて「入浴のアドバイス」、「温泉療法のコツ」について述べましたが、最後に次のことを強調しました。
 温泉には不思議な力があり、場合には薬以上の効果が期待できる場合があります。
 山登りなどをした後、その疲れや棒のようななった脚の痛みを癒すには、何といっても温泉が一番です。しかしながら
 現代医学の進歩に照らして、温泉の効用を見直すことが大切と思われます。あまり温泉の効用を過信してはいけません。
・例えば、昔のように温泉に入れば皮膚病が簡単に治るとか
・泥湯に入れば皮膚がすぐにきれいになるとか
 温泉を如何にうまく利用するか、温泉入浴を如何に効果的にするか、考えることが大切で、別府のめぐまれた温泉環境を最大限に利用して、別府の更なる発展を望む必要があります。

   

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