長期間観察した尋常性乾癬の一例
NO.139 2005/12/1

 尋常性乾癬の治療に関しましては、クリニックレポート No.36 尋常性乾癬の治療 (2002/4/10)において、これまでの治療の歴史について述べ、治療にあたっては個々の患者さんの性、年齢、全身状態、社会的・家族的環境など、患者さんの個別性 (Individuality) を考え、全人的治療に局所療法を加味して行うようお話しました。
 また、同じホームページのNo.134 尋常性乾癬の新しい治療法を求めて(2005/10/7)では、最近とくに著しい皮膚免疫学の成果をもとに、乾癬の新しい治療法、とくに実際の治療にあたって比較的安全性の高い薬剤の組み合わせによる治療法を紹介しました。
今回、主として塩酸オロパタジン(アレロック)内服を中心に、これに外用として活性型ビタミンD3軟膏を一時的に副腎皮質軟膏と併用しましたが、経過をみながらD3軟膏単独併用に切り換え、治療に成功している症例をご覧に入れたいと思います。

症例は45歳 男性 (初診;平成11年1月23日)

 初診より7年間にわたって診ている患者さんですが、
躯幹、四肢に典型的な乾癬様皮疹が多発しており、高脂血症(総コレステロール・228mg/dl, 中性脂肪・52mg/dl )を伴っていましたので、ペリシット(250mg)3T+ビオチン散4.5g の内服を中心に、外用として活性型ビタミンD3軟膏に副腎皮質ホルモン軟膏を併用しながら一時軽快状態にありましたが、再燃を繰り返すなど、なかなか完治が得られなかった症例です。









 写真は平成12年6月16日以降の経過を示していますが、これと並行して内服投与と外用投与の推移を示しています。
 とくに平成17年になってからの経過に注目していただきますと、1月17日の臨床像は写真のように良くありませんでしたが、内服投与の推移をみておわかりのように、アレロックを2T併用するようになって良くなり始め、平成17年8月29日には殆んど治癒に近く、これと同時に外用も副腎皮質ホルモン併用より活性型ビタミンD3軟膏(オキサロール軟膏)単独に切り換えましたが、10月24日には写真のように治癒状態が続いています。

 以上、最近の皮膚免疫学の進歩にのっとり、尋常性乾癬のこれまでの治療にみられない、塩酸オロパタジン内服と活性型ビタミンD3軟膏外用の併用によって好結果が得られた症例をご覧にいれました。

Back