鳴海クリニック <消化器内科・内科・外科・皮膚科>

クリニックレポート(個別記事)

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「みずむし」を治す
NO.149 2006/5/25

 「みずむし」は白癬菌というカビの一種が足の皮膚に寄生して発症する皮膚病です。
 このカビは皮膚の一番外側の角質層(垢になる部分)を溶かし、これを栄養源として生きているもので、角質層以外、爪や毛にも寄生します。
 カビが人の皮膚に寄生し、そこで繁殖するためには、適当な温度、湿度、衛生状態、栄養状態など、さまざまな条件が必要になります。
 人間が靴を履くようになって「みずむし」にかかる人が多くなったことを考えると、「みずむし」は一種の文明病と言えるでしょう。

症状のいろいろ

 「みずむし」には派手な「みずむし」と地味な「みずむし」がありますが、次のように3つのタイプに分けることができます。
1)趾間型:足の趾と趾の間(とくに第4趾間)がふやけて皮がむけたり、時にただれたりして「かゆみ」を訴える。
2)小水疱型:足の裏に小さな水疱が多発し、乾燥すると皮がむけて「かゆみ」を伴なう。
3)角質増殖型:とくに高齢者に多く、「かかと」を中心に足の裏の皮膚が厚くなり、一部皮がむけたり、「あかぎれ」ができたりしますが、「かゆみ」はあまりありません。
 この種のタイプは慢性化しやすく、治りにくいタイプで、爪もおかされてきます。爪がおかされると白くにごって厚くなり、もろくなります。
1)・2)のタイプで「みずむし」がひどくなると、「かゆみ」がつよくなり、かきむしって化膿し、赤くはれ上がって痛くなります。また、足背から足首にかけて線状に赤くなってリンパ管炎を起こしたり、股のリンパ腺がはれて「いたみ」を訴えるようになります。

「みずむし」にかかりやすいタイプと、「みずむし」の治りにくい理由

 足の格好がずんぐりして趾と趾がぴったりくっついて開かず、隙間のない人がいますが、このような人は趾間をよく洗えず、汗や垢がたまりやすく、「みずむし」にかかりやすい人です。
 また、人一倍汗をかきやすく、いわゆるあぶら足の人も「みずむし」にかかりやすい人です。

※ 「みずむし」の治りにくい理由
・「みずむし」の中でも角質増殖型、爪の「みずむし」は前述のように、とりわけ治りにくいことがおわかりでしょう。
・また、「かゆみ」がひどい時には熱心に治療しますが、「かゆみ」がとまって少しでもよくなるとすぐに治療をやめてしまう人が多いのが現状です。
・一般に「みずむし」を含めてありふれた皮膚病は「命とり」になるような病気ではないために、それ程深刻に考えず、とことんまで治療する人は少ないようです。これも「みずむし」を治りにくくしている原因でしょう。
・更にまた、糖尿病のような病気があると、「みずむし」にかかりやすいし、「みずむし」を治りにくくしますので、糖尿病のコントロールを同時に行なうことが大切です。一般に慢性病のコントロールには中々根気が必要です。
・「みずむし」が治りにくい場合には、経過により再チェックをして診断が正しいかどうか、もう一度よく見直す必要があります。
・また、後で述べますように、足のスキンケアが徹底しないと「みずむし」の治りもよくありません。

「みずむし」を完全に治すために

「みずむし」ほど原因のはっきりした皮膚病はありません。
 昔から色々な民間療法があげられていますが、医学の進歩した今日では、医師による適切な治療が一番です。
 治療の第一歩は適確な診断にあります。「みずむし」に似た皮膚病がいくつかありますので、専門医の診察を受けることが大切です。
 かきむしって炎症がひどく、化膿している場合にはまずこれを治すことが先決で、その後に「みずむし」の薬を使うことになります。

※ 「みずむし」の薬
 「みずむし」の薬は、菌の発育をおさえる(静菌作用)ものと、菌を殺すはたらきを有する(殺菌作用)ものとに大別されます。
 最近では、このような働きをもつ薬がいろいろな型でできていますが、軟膏の場合はその基剤の性質をよく知った上で症状に応じて薬をえらぶ必要があります。
 「みずむし」だからといって「みずむし」の薬を何でも使っていいわけではありません。使い方が悪いとかえって余計にわるくなることがあります。

※ 爪の「みずむし」を治すには
 この場合、軟膏基剤では菌のいる角質層の深いところまで薬がしみこんで行かないので、しみこみやすい液状の薬を使います。その上で尿素軟膏を併用して角質に水分を含ませるようにすると、次に塗る液状の薬がしみこみやすくなります。 

※ 治療期間について
 「みずむし」の菌は皮膚の角質層で繁殖していますが、この角質細胞がはがれていくまで2週間程度かかります。
 したがって、「みずむし」を完全に治すためには、菌糸が角質層から離れるまで最低2~3週間は塗りつづける必要があります。しかし、足の裏がかたくなる角質増殖型の「みずむし」では、外用薬が効きにくく、一般に3~4ヶ月、或いはもっとかかる場合があります。
 わたしの経験では、治療後6年たってかなりよくなりましたが、どうもすっきりしないので、念のため検査したところ、意外にも菌がみつかったというにがい経験もありますので、注意しなければなりません。 

※ 飲んで効く「みずむし」のくすり

【グリセオフルビン】
 40年以上使われてきた薬ですが、この薬は精菌作用と言った菌を殺すはたらきはなく、その発育を抑えるものです。
 爪の「みずむし」に際してよく使う薬ですが、いい爪が出てきて生えかわるまで飲まなくてはなりません。
 爪の一日の伸びが平均0.1mmとされていますから、おかされた部分の爪の長さを計ってこれを0.1mmで割りますと、いい爪に生えかわるに必要な日数が出てきます。
 理論的にはこれでいいのですが、実際には手の爪で3ヶ月以上、足の爪で6ヶ月以上かかりますから、それ以上の期間、場合によっては1年以上薬を飲み続ける必要があります。

【イトラコナゾール】
 商品名はイトリゾールといいますが、グリセオフルビンと違って、菌を殺すはたらき(殺菌作用)をもっていますので、グリセオフルビンのように長く続けて飲む必要はなく、はやくても3ヶ月位はかかります。
 
※ とくに爪水虫のイトリゾール・パルス療法について
 これは爪水虫治療の最も新しくて、最も有効な方法です。
 従来は、毎日飲む方法でしたが、パルス療法では、薬を1週間飲んで、3週間休むことを3回繰り返すことになります。即ち、イトリゾール50mgカプセル・1日8カプセルを朝夕2回に分服、それぞれ食直後4カプセルずつ1週間飲むことになります。これを1クールとしていますが、3クール(3ヶ月)終わったならば、爪の状態をチェックして更に経過をみます。
 こうして治療後約6ヶ月~1年で爪は殆ど正常になります。

「みずむし」を防ぐ足のスキンケア

 「みずむし」は人間が靴を履くようになって起きてきた皮膚病で、足を常にきれいにして乾燥しておくことができれば、「みずむし」にかかることはないでしょう。
 靴を履くことを余儀なくされている現代人は、少なくとも毎日足を丹念によく荒い、とくに趾間をよく洗うことを忘れないようにすることが「みずむし」の予防に最も効果的な方法と思います。
 わたしが嘗て行なった入浴調査によりますと、1,000人中185人に「みずむし」の人がいましたが、趾間をよく洗う人の方が多少発生率が低かったようです。

 

 以上は、平成11年7月 発行 の小著、≪ 「みずむし」を治す ≫を一部改定して述べました。



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